プロジェクトパートナーである保護団体 (United for Conservation)のメンバー、カルロス・マンテロラ (Carlos Manterola)、そしてナショナルジオグラフィックソサエティ(National Geographic Society)のカメラマン、スティーブ・ウィンター(Steve Winter)である。

我々は急いでコーヒーとクッキーの質素な朝食を胃に流し込んだ。トラックの準備は出来ている。我々の犬の一隊を率いるソンブラ(「影」の意)という雑種雌犬が、厳しいジャングル探検を早く始めようとそわそわしている。隊の中の一匹はジャガーの存在を感じたかのように一晩中鳴きつづけていた。午前4時を少し過ぎた頃、ジャングルに通ずる一本しかない泥道を走りジャガー探しを始めた。

マヤ族やアステカ族が力強くミステリアスな神として崇拝するジャガーは、南北アメリカ中で最も魅力的でカリスマ性を持った動物であると言える。今世紀初めまでジャガーは広大な領域に存在し、アメリカ合衆国南部アリゾナやニューメキシコのセイヨウヒガラシ林や乾燥した茂みから、アルゼンチン北部のMisiones地方まで広く分布していた。しかし無作為に狩猟が行なわれ、生態が破壊され、事実上合衆国とエルサルバドルでは全種絶滅、アルゼンチン、メキシコ、コスタリカ、エクアドルやパナマをはじめ多くの国々で絶滅の危機に瀕している。